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【オーガナイザ】 木村昭悟(NTTコミュニケーション科学基礎研究所) 堀田政二 (東京農工大学) |
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【講演者】 杉山 将(東京工業大学) 冨岡亮太(東京大学) 岡谷貴之(東北大学) |
【セッション概要】
大量の画像・映像データを処理するためのアルゴリズム設計は、物理モデルや設計者のセンスだけを拠り所にするアプローチから、大量のデータから浮き彫りになる知識や関係性を積極的に取り込むアプローチへとパラダイムシフトが起こりつつあります。この考え方は、雑音除去、領域分割のような基本的な画像処理から、生体認証、人物検出・追跡、2D-3D変換、モノクロ画像彩色などの高度な応用まで、数多くの画像産業に直結する応用へと寄与しています。このオーガナイズドセッションでは、このパラダイムシフトを支える基盤技術のひとつであり、データから知識を引き出す上で重要な役割を担う「機械学習」に焦点を当てます。特に本セッションでは、画像産業に大きく寄与する可能性のある機械学習技術について、世界的にご活躍をされている研究者の方々にご講演いただきます。このセッションを通じて、データを知識に変える機械学習が画像・映像に関する産業にとって有用であることが理解できるようになることを期待しております。
【各講演のご案内】
【講演者】 杉山 将(東京工業大学) [題目] 確率分布間の距離に基づく機械学習 |
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本講演では、与えられた2セットのデータから、その背後に潜む確率分布間の距離を推定する問題について議論します。確率分布間の距離は、確率分布の同一性の判定、確率分布のマッチング、確率変数の独立性の判定など、様々な目的に応用できます。しかし、単純にデータから2つの確率分布を推定し、推定した確率分布をもとに距離を計算すると、精度が悪いことが知られています。本講演では、確率分布推定を介さない直接的な推定アルゴリズムを紹介するとともに、クラスバランスが変化する場合の半教師付き学習、時系列中の変化点検出などへの応用例を示します。 |
【講演者】 冨岡亮太(東京大学) [題目] 画像のスパース表現の理論と最適化アルゴリズム |
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近年、画像をはじめとして多種多様なデータにおいて観測データが少数の基底の線形結合で表現できること、すなわちスパース性の有効性が示されてきました。特に画像では、雑音除去・ぼかし除去などの基本的なタスクから、画像分類などの高度なタスクにまで応用されています。本講演では、これらの応用に触れながら、なぜそのようなことができるのか、また、どのようにそのようなことが実現できるのか、理論と最適化アルゴリズムの両面からスパース性に基づくデータ解析手法を解説します。 |
【講演者】 岡谷貴之(東北大学) [題目] ディープラーニングと画像認識への応用 |
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ディープラーニングは、多層のニューラルネットワークを用いた機械学習の方法論です。近年、画像認識や音声認識をはじめとする複数の分野の問題に応用され、従来手法を大きく超える高い性能を示したことから、大きな関心を集めています。本講演では、今後一層の発展が予想されるディープラーニングについて、画像認識への応用を中心に、現時点で知られているいくつかの方法をなるべく網羅的に紹介し、また現実の問題へ適用する手順を具体的に説明します。なぜディープラーニングの方法が高い性能を達成できるのかについては未解明の部分も多いですが、これに関する最新の研究の取り組みも併せて紹介します。 |
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【オーガナイザ】 内藤貴志(株式会社 豊田中央研究所) 加藤邦人(岐阜大学) |
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【講演者】 青山 聡(株式会社 ブルックマン テクノロジ) 佐川立昌(産業技術総合研究所) ニクラス クリスチアーノ、曽我峰樹(株式会社 豊田中央研究所) |
【セッション概要】
高解像度、高速度、高ダイナミックレンジにとどまらず、紫外、赤外、はたまたミリ波にまで、近年センサの進化には目覚しいものがあります。更には、すでに実用域に入っている3次元計測センサも、Kinectに代表されるように低価格化が起こり、さらに高精度化、高速化が進んでいます。 本セッションでは、最先端のセンサをご研究する講演者の方々により、高速3次元形状計測、新しいCOMSセンサの可能性、小型レーザーレーダについて、技術の紹介に留まらない実用化を指向した講演をとおし、センサの進化でセンシング技術がこれからどの様に変わっていくのか、その未来について議論して頂きます。
【各講演のご案内】
【講演者】 青山 聡(株式会社 ブルックマン テクノロジ) [題目] CMOSイメージセンサの高性能化、高機能化に向けた取り組み |
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“CCDがCMOSに置き換わる。”と言われて久しいイメージセンサですが、昨今のCMOSイメージセンサでは、様々な工夫を施すことで、CCDに迫る、或いは、凌ぐ性能を実現しています。最近では、これまで市場をけん引してきた携帯電話、スマートフォン向けだけでなく、いろいろなアプリケーションに適応したCMOSイメージセンサの開発も盛んに行われています。本講演では、各種CMOSイメージセンサにおいて、その性能、機能を高めるために用いられている様々な技術について紹介させていただきます。 |
【講演者】 佐川立昌(産業技術総合研究所) [題目] 高速に運動・変形する対象のための3次元形状計測法 |
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近年ダイナミックに変化する対象の3次元シーンの計測が注目されています。そこで私たちの研究グループでは、格子パターンをプロジェクターなどから計測対象の物体に投影し、カメラで撮影したパターンを画像処理することで、撮影した物体の3次元表面形状を計測する技術を開発しました。撮影された瞬間の1枚の画像だけで物体の3次元形状を得ることができるため、高速度カメラを用いれば、高速に運動・変形する対象の表面形状の測定ができます。本講演では手法の説明とともに、計測例を紹介いたします。 |
【講演者】 ニクラス クリスチアーノ、曽我峰樹 (株式会社 豊田中央研究所) [題目] 車載用イメージングレーザレーダ |
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交通事故死傷者ゼロを目指し、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報など予防安全システムが実用化されている。さらにその究極の姿として自動運転車の研究開発も国内外で活発化している。ここでキーとなるのが、車両、歩行者、走路などの走行環境をセンシングする技術であり、これまでカメラやミリ波レーダなどのセンサが主に用いられてきた。 レーザレーダは、角度分解能、距離分解能ともに高いことから、次世代の車載センサとして期待されるが、市販車搭載にはサイズやコストなどの課題も多い。本講演では、豊田中央研究所にて市販車搭載を目的に開発中の車載用3次元レーザレーダについて紹介する。 |
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【オーガナイザ】 下村倫子(日産自動車 株式会社) 塩原守人(株式会社 富士通研究所) |
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【講演者】 黒川高晴(セコム 株式会社 IS研究所) 中村保則(株式会社 構造計画研究所) 須崎昌彦(沖電気工業 株式会社) |
【セッション概要】
画像処理・認識は、企業、大学、その他研究機関などで盛んに研究されているものの、ビッグビジネスに繋がった例はあまりありません。研究の現状とビジネスにおけるニーズとシーズにギャップがあることが大きな理由のひとつと考えられます。 本セッションでは、認識技術をビジネスに活用されている企業のリーダーの方々をお招きし、どのようにして認識・処理技術をビジネスに繋げてきたかを各社の事例を紹介していただきます。特に、現場データに基づいた手法の構築・評価、現場調査・メンテナンスへの対応など、いわゆる泥臭い部分、手離れの悪い部分に対しても赤裸々にお話しいただきます。技術面以外も含めたビジネス展開の難しさを共有するとともに、ビジネス化や技術開発に対する魅力についても示唆いただけるものと思っております。
【各講演のご案内】
【講演者】 黒川高晴(セコム 株式会社 IS研究所) [題目] セキュリティ画像処理のフィロソフィー |
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高いスペックが要求されるセキュリティにおいて、一般に性能確保が困難と言われる画像処理技術がどのように活用されているか、弊社での事例を通して紹介する。多数の現場で実動作する画像処理システムを作り上げるための研究開発プロセス、それに関わる技術者のモチベーション、これらを支える「セキュリティ企業の画像処理に対する基本スタンス」について、これまでの経験を踏まえて説明する。また、応用の最終段階を担う企業研究者の視点から、現在の画像処理が抱える技術的・社会的課題を挙げ、その解決へ向けて私見を述べる。 |
【講演者】 中村保則(株式会社 構造計画研究所) [題目] マーケティングビジネスにおける画像センシング技術の適用 |
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近年、流通・小売業の店舗価値評価やBtoC製造業のプロモーション効果評価、また製造業においてはその作業効率性の評価など多種多様な場面で画像センシング技術が注目されつつある。潜在的な可能性を持ちながら、現場が求めるデータとのギャップに多くの課題があることも事実である。構造計画では、画像を含めたさまざまな計測技術をお客様の課題に合わせて提供しデータ分析も行なう、画像センシング技術を活用したマーケティングコンサルサービスを展開している。本セッションでは、展開しているビジネスの概要と、その中での画像処理技術の位置づけ、技術的苦労やサービス付加価値のありかたなどを経験に基づき紹介する。 |
【講演者】 須崎昌彦(沖電気工業 株式会社) [題目] 画像認識技術のビジネス展開に向けた課題 |
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顔や人物を対象とした画像認識技術は、多くの有効な手法の進展により性能が実用的にまで向上したことで幅広い応用が期待されている。一方で認識技術を商用展開するためには、開発者が想定していなかった特殊な条件への対応が必要となることがある。また認識結果が必ずしも人の感覚と一致しないことや、特定条件での精度劣化の可能性といった画像認識の性質について顧客からの理解が得られない場合もある。さらにはソフトウェアの品質や開発コスト、各種問い合わせへの対応など考慮しなければならない問題は多い。本講演では、画像認識をビジネスとして展開する際に発生する様々な課題とそれらにどのように取り組んできたかについて紹介する。 |
主催:画像センシング技術研究会(会長:輿水大和) 実行委員長:藤吉弘亘
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