SSII2010 第16回 画像センシングシンポジウム

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特別企画

オーガナイズドセッション

6月10日(木) 15:00~16:30  OS1
世界的戦略経験を持つベンチャー経営者の画像センシング技術分野への期待と展望

 

[オーガナイザー]
 梅崎 太造(名工大)

[スピーカー&パネリスト]
 髙尾 慶二((株)モルフォ)
 堀米 秀嘉((有)ホーリーマイン)
 木村  徹(名工大,(有)木村デザイン研究所)
 梅崎 太造(名工大,梅テック(有),(有)μ-skynet,
       (株)toU,(株)3Dragons)

世界的戦略経験を持つ異分野のベンチャー経営者&スーパーエンジニアから見た画像センシング技術分野への期待と展望について討議する講演会を企画いたしました。まず、世界的市場をターゲットにした技術や製品の開発および標準化を自ら手掛けるとともに、成功に導いた方々に、これまでの経験(発想、ブレークスルー、開発秘話など)と現在進行中のプロジェクトについて紹介いただきます。具体的には、ホログラフィックメモリ(HVD)の開発・標準化と裸眼用3次元ディスプレイの開発、カメラ付き携帯電話の開発と携帯電話用画像処理技術の世界標準化、ユーザビリティを追求した自動車設計と近未来用車載用ナビゲーションシステム、音声認識技術を用いた指紋照合装置と自己管理型セキュリティシステムの開発についてお話いただきます。次に、自らベンチャーの起業家もしくは取締役として会社を経営する上での課題や問題点をクローズアップしていただきます。異分野の方々からの意見を参考に、画像センシング技術の今後の技術展開と社会貢献について再考できればと考えています。

 


「携帯電話用組み込みシステムのデファクトスタンダードを目指して」

髙尾 慶二((株)モルフォ)

携帯電話用組み込み画像処理システムの事業化について紹介します。株式会社モルフォは デジタル画像処理技術を専門とする東京大学出身の技術者を中心に2004年に創立されたベン チャー企業です。独自の画像処理技術の研究開発、製品化を手がけ、そのライセンシングを 行っております。現在は主に国内外のカメラ付き携帯電話に静止画、動画の手ブレ補正やフ レーム補間などをはじめとする組み込み用画像処理ソフトを提供しております。当社の詳細 につきましては、http://www.morphoinc.com/ をご覧ください。

 


「3次元画像の高精度表示技術の実現に向けた取り組み」

堀米 秀嘉((有)ホーリーマイン)

ホログラフィー技術を中核として、情報の蓄積(ホログラムメモリー)、高速処理(光コ ンピューティング)、映像の表示(3Dディスプレイ)および画像の出力(3Dプリント) を、光をキャリアとして統合するOPTWAREと呼ぶ基本概念を提唱して、ベンチャー企業を 設立した。これまで、超高速大容量のホログラムメモリー:HVDは世界初となる世界標準 規格として承認された。次なるステップとして、高精度な空間画像を表示可能な3Dディス プレイの実現を目指して製品開発を進める。講演では、ベンチャー設立から現在までの波乱 万丈の生々しいヒストリーも交えながら、現在開発中の3Dディスプレイのご紹介をすると ともに、上記概念を統合した世界展開の展望を述べる。

 


「次世代自動車のユーザインタフェース開発」

木村  徹(名工大,(有)木村デザイン研究所)

未来の自動車の研究、特に次世代自動車のユーザインタフェース開発について 述べる。

 


「音声情報処理技術の画像処理分野への転用とその応用」

梅崎 太造(名工大,梅テック(有),(有)μ-skynet,(株)toU,(株)3Dragons)

まず、これまで大学発ベンチャーを起業してきた経緯について説明します。次に、音声情 報処理技術として広く利用されているLPC分析とDPマッチングを使った指紋照合装置の開発と その市場化について簡単に述べた後、現在取り組んでいる非接触型指紋・静脈センサの開発 、ライン指紋センサの機構を取り入れた動体検出および低価格な自己管理型セキュリティシ ステムの事業化について紹介します。

 




6月11日(金) 10:30~12:00  OS2
今度こそ本当に実用化?3次元テレビ・立体テレビ

[オーガナイザー]
 斉藤 英雄(慶應義塾大学)

[スピーカー]
 藤井 俊彰(東京工業大学)
 堀越  力(NTTドコモ 先進技術研究所)
 岩舘 祐一(NHK 放送技術研究所)
 小黒 久史(凸版印刷 総合研究所)

 

 2010年は3D元年、立体映像元年と言われています。1月にLas Vegasで開催されたInternational CESで は、世界中の映像機器メーカーが相次いで一般家庭向けの立体ディスプレイを出展し、販売も始まろうと しています。また、劇場映画にも3Dの波が押し寄せ、大きな話題になっていることも周知の事実です。 このオーガナイズドセッションでは、まず、3次元映像の入出力・蓄積・伝送のための処理・表示技術に関 する研究について、国内外の最新動向をご紹介頂きます。次に、このような研究成果の実利用への取り組 みとして、TV放送・携帯電話における3次元映像サービス、さらに、3次元映像コンテンツのアーカイブ とそれらの提示技術を取り上げ、それらの研究開発の最前線と将来展望を語って頂きます。3次元映像実利 用に向けて、画像センシング技術が更に貢献するための将来展望を見いだす機会としたいと考えていま す。

 


「3次元テレビシステムの最新動向と将来展望」

藤井 俊彰(東京工業大学)

3次元テレビはさまざまな要素技術から構成されるシステムである。本講演では、3次元 映像の入力・処理・伝送・表示の各技術について国内外の最新研究動向を紹介し、3次元テ レビの将来像を述べる。

 


「携帯端末における3次元表示技術の可能性」

堀越  力(NTTドコモ 先進技術研究所)

携帯電話のような小さな画面で3次元表示技術はどのような方向で進むべきか。立体TVの大画面とは異なる使い方の紹介とその実現可能性について言及する。

 


「NHKにおける立体映像・多視点映像の研究」

岩舘 祐一(NHK 放送技術研究所)

NHK放送技術研究所では、立体映像や多視点映像に関する研究を行っている。講演の中 では、インテグラル式立体方式の撮像・表示手法、多視点映像の番組制作応用などについて 紹介する。

 


「3次元デジタルアーカイブの応用可能性」

小黒 久史(凸版印刷 総合研究所)

凸版印刷では、国内外の文化資産を中心としたバーチャルリアリティ(VR)コンテンツの制作を手がけている。3次元デジタルアーカイブでもあるVRコンテンツの制作事例、応用事例を紹介するとともに、立体映像表示技術を用いた今後の可能性について述べる。

 




6月11日(金) 15:00~16:30  OS3
人体を高精度に測る技術の最前線

[オーガナイザー]
 目加田 慶人(中京大学)

[スピーカー&パネリスト]
 正宗  賢(東京大学)
 矢内 利政(早稲田大学)
 清水 昭伸(東京農工大学)

 

 人を対象としたさまざまな画像認識技術は、多方面で商用化が進み我々の日常に大きく入り込んできて います。この分野のさらなる展開には、「ミリ単位」の精度という付加価値を目指して、人を見るための 新しいデバイス、複雑な対象を扱うことができるパターン認識技術、人体の詳細な力学的モデルなどを開 発することが必要不可欠となります。
 このオーガナイズドセッションでは、SSIIの活動範囲を広げるべく医用手術用3次元カメラデバイス開発 、多次元医用画像解析技術、バイオメカニクス各分野の一線でご活躍の研究者を招き、高度な人体の観察 ・解析の最新動向と将来展望についての講演を企画いたしました。人を対象にした研究に特有の「共同研 究の進め方」や「情報公開とプライバシー」などについても触れながら、次代の人認識技術の動向を探る 機会と考えています。

 


「診断・治療のための立体内視鏡による人体内部観察」

正宗  賢(東京大学)

内視鏡による人体内部観察は既に様々な体の部位で応用されているが、ここでは特に患者 へのダメージの少ない心臓外科治療や胎児外科治療における、新しい内視鏡デバイスを紹介 する。具体的には、心臓が拍動している中で心臓内部を観察する内視鏡、正面と側面を簡便 に切り替えて周囲を広域・高精細・立体的に観察することが出来る視野可変立体内視鏡につ いて紹介する。

 


「画像計測とバイオメカニクス視点からの障害メカニズム解明と競技力向上」

矢内 利政(早稲田大学)

高速度カメラや電磁ゴニオメータを用いて人体を外側から観察して行う運動解析テクニック に、スポーツ医学の基礎理論と、超音波診断装置やMRIを用いて可視化した人体内部情報を数学 的に処理する工学技術を組み合わせることによって、動く肉体を計測・理解する方法を確立し ようと取り組んでいます。この手法により、外傷・障害の発症メカニズムを運動学的に解明し たいと考えており、本講演ではそれらの技術を紹介する。

 

 


「計算機用の解剖学と医用画像認識」

清水 昭伸(東京農工大学)

最近、計算機用の人体解剖学(計算解剖学と呼ぶ)が注目されている。個体差のある解剖 構造を統計的に記述した計算解剖モデルの表現論・構築論・応用論などを含む新しい学術領 域である。この計算解剖学は、「生きている人体の解剖」を医用画像上で実現する技術を実 現し、現在の診断・治療支援技術の性能を飛躍的に向上させると期待されている。本講演で は、計算解剖モデルを利用した最近の医用画像認識技術について紹介する。また、最近始ま った計算解剖学とその診断・治療の高度応用に関する新しいプロジェクトについても紹介す る。

 


敬称略