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特別企画
SSII20周年特別記念講演

「見えないもの」の知覚 
〜 画像知覚のアモーダル、多感覚、そしてダイナミックな諸側面

2015年6月11日(木)16:15 - 17:45

講師:下條信輔氏(カリフォルニア工科大学 教授)

カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。 認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。 1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。 東大教養学部助教授などを経て98年から現職。 主要研究テーマは、視知覚、感覚間相互作用、情動意思決定、脳の非侵襲制御、発達障害と 社会性知覚、など。サントリー学芸賞(1999年)、 日本神経科学会時実記念賞(2004年)、 日本認知科学会独創賞(2008年)、中山賞大賞(2009年)受賞。

講演概要

視知覚世界は「見えないもの/見えるもの」というかたちで構造化している。この「見えないもの」は推論されるのではなく、あくまでも3次元世界の一部として「知覚される。」「見えない」知覚の様態を精査することは、画像センシングの将来にとっても有効だろう。この講演では以下に従ってそれを試みる。
1)アモーダル知覚:面同士に遮蔽関係があるとき、遮蔽された部分は「そこに在るものとして」知覚される。運動知覚、対象認知、プライミングなどから心理物理学的証拠がある。
2)視野外の動的な知覚:視野のすぐ外側の対象は(熟知した環境なら)やはり待機的に存在する。
3)視覚短期記憶。
他にもマルチモーダル(多感覚)知覚、ポストディクティヴ(後付け再構成の)知覚などを検討する。