「Shape-from-shadingからe-Heritageへの道」
6月12日(木) 16:30-17:15
講演者: 池内 克史氏(東京大学) プロフィール: 1949年大阪府生まれ。1973年、京都大学工学部機械工学科卒、1978年、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了(工学博士)。MIT人工知能研究所、通産省電子技術総合研究所(現産総研)、CMUロボティクス研究所を経て、1996年東京大学生産技術研究所に着任。1999年より東京大学大学院情報学環教授。専門分野は、ロボットビジョンを中心とする視覚情報学。文化財のデジタルモデル化、人間行動観察学習ロボット、4次元仮想化都市空間等の開発に従事。2011年IEEE/PAMI Distinguished Researcher Award、2012年 紫綬褒章 等受章。 |
講演者は、まず、MITで明るさの変化から3D形状を出すという研究を行った。その後、CMUで、面の傾きだけでなく反射率を求める手法へと展開し、これらの手法がいわゆるImage-based modelingの先駆け研究となった。東京大学に移ってから、これらの基本的なアルゴリズムを利用して、文化財のモデル化を行うプロジェクト (e-Heritage) へと発展させた。本講演では、これらの研究の概略を述べるとともに、これらの研究の間の関係や動機,研究の流れについても詳しく語る。なお、本講演は、バルセロナでのDistinguished Researcher Award受賞講演の拡大版である。
「2ndキャズムを越えて、グローバルな社会実装を目指す」
6月12日(木) 17:15-18:00
講演者: 佐々木 繁氏(富士通研究所) プロフィール: 1956年岩手県生まれ。1981年岩手大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了。同年、富士通株式会社入社、株式会社富士通研究所に配属。以来、1984年動画像処理システム、三次元CGシステム、手のひら静脈認証をはじめとするバイオメトリックスなど、実用化研究開発に従事。1988年3月~1年半CMUコンピュータサイエンス客員研究員。2006年R&D戦略室長、2008年取締役、2010年常務取締役、加えて2013年~米国・欧州・中国各研究所のChairmanを併任中。2001年オーム技術賞、2005年情報処理学会業績賞、2010年IAPR Fellow授与。IEICE、IPSJ、IAPR各会員。 |
講演者は、業界初の動画像処理システム「韋駄天(FIVIS/VIP)」、国内初の自律走行車「PVS」、最高速3DCGシステム「昴」、昆虫の目をモデル化した小型画像処理システム「ISHTAR」など、数々の先進的な動画像処理の実用化研究開発に取り組んできた。1999年以降は、社会で多発している悪質な手口の社会問題に奮起し、手のひら静脈認証技術の研究開発を牽引し、2004年には世界初非接触型手のひら静脈認証技術を世に出した。2014年3月現在では、世界中で様々なソリューションに活用され、5,000万人が利用している。本講演では、熱い想いと夢をかたちにしながら経験してきた自らの2ndキャズムの越え方を再考するとともに、最近の富士通研究所でのトピックスを紹介する。
司会: プログラム委員長 下村倫子(日産自動車)