画像センシング技術研究会
会長 青木 義満 (慶應義塾大学)
SSIIを主催しております画像センシング技術研究会を代表して、SSII2024にご参加いただいた1700名を越える参加者の皆様に、厚く御礼を申し上げたいと思います。
SSII(画像センシングシンポジウム)は、今回で30回目の開催を迎えました。故高木幹雄先生が「参加者のための学術集会」と銘打って立ち上げられた本シンポジウムは、その趣旨を貫き、画像学術と画像産業界の動向を踏まえた企画、運営により、参加者の皆様と共に継続的に発展してまいりました。リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍などの荒波に揉まれながらも、この、「参加者のための学術集会」という原点を、皆様とぶれずに追求してきた30年であったと認識しております。お陰様で、近年では常に1500名を超える多くの参加者が集う、国内最大規模の画像系シンポジウムとして皆様の支持を得るに至っております。
今回のSSII2024は、30周年の記念シンポジウムとして、数多くの特別企画を盛り込んだかたちで、非常に魅力的なプログラム構成での開催となりました。入江豪実行委員長、片岡裕雄プログラム委員長を中心として、通常の企画運営だけでも大変な中、素晴らしいコンテンツの数々をご披露頂きました.私自身、30周年記念パネルセッションの司会進行を担当させて頂きましたが、過去を振り返りつつ、明るい画像センシングの未来を展望するような議論ができました。SSIIの成り立ちを知る上では、SSIIの創設者,初代会長を務められた、故高木幹雄先生、そして高木賞を紹介する映像コンテンツを制作、公開しました。また、SSII創設者のおひとりである中島真人先生に、SSIIの誕生とその変革にまつわる表話から裏話まで、故・高木幹雄先生とのエピソードを交えて、30周年特別寄稿のご執筆をいただきました。これらのコンテンツからは、脈々と受け継がれ、発展を続けるSSIIのアイデンティティーを感じて頂けると確信しておりますので、是非ご覧下さい。
また、SSII2014以来となるSSII技術マップの作成にも取り組みました。10年前は、画像センシング分野における代表的な3分野(イメージング、認識、三次元シーンの復元)に絞っての技術マップとなりましたが、劇的な分野の拡がりを見せる昨今では3分野に収めることが困難と判断し、可能な限り分野を網羅できるように選定して参りました。一方で、これからの10年以上を担う人材として、特に若手研究者を中心に技術マップをまとめて頂いています。この技術マップからは、SSIIが扱うべき課題の拡がりと、それに取り組んでいる活力のある若手研究者の無限の可能性が感じられます。
以上、30周年の記念すべきSSIIは、私にとっては、会長在任中の最後のSSIIとなりました。これまで3期6年に渡り努めて参りました。世界の学術、産業界、社会の動向を敏感に感じながら、参加者の皆様からのご要望に耳を傾け、しっかりと地に足のついた企画・運営、新しい価値あることに挑戦することを心がけ、皆様と共にSSIIを楽しみながら成長させてゆきたいという思いでやって参りました。31回目のSSII2025は、中部大学の藤吉弘亘先生を新会長とした新たな体制で、新時代のSSIIとしてリスタートとなります。末筆ながら、これまでと変わらぬSSIIへのご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
(2024年8月21日)
お知らせ 平成20年5月1日、画像センシング技術研究会は特許法第30条第1項の規定に基づく学術団体に承認されました。 |
以上